淡水魚釣りの定番となっているのが「ブラックバス」ですよね。
そこで今回は外来魚「ブラックバス」の生態と、日本の淡水魚に及ぼす影響についてご紹介していきたいと思います。
正式名称はオオクチバス
本来ブラックバスという呼称は、コクチバス(スモールマウスバス)の稚魚期の体色が黒いことから原産地北米において慣習的に呼ばれるようになった名称である。
しかし日本においては、移入からの歴史が長く、分布範囲、個体数、認知度において群を抜くオオクチバス(ラージマウスバス)を特に指して用いられる場合が多い。
ブラックバスの生態は?
ブラックバスは河川や湖沼に生息している魚で、他の魚類や水生節足動物、さらには水面に落下した昆虫などを食べて生活しています。
肉食性で、魚類で約7割は捕食できるとされており、甲殻類で約2割を捕食するため、この両者を合わせると水中生物の9割近くを栄養源にしているという報告もあるんです。
大量の卵を産み、育てる
ブラックバスは水通しの良い浅場に産卵床を作ります。
メスが産んだ卵をオスが守るという習性があり、自分の卵に近づいてきた他の魚に関しては、オスが威嚇して追い払います。
北米での報告によると、メス1匹あたり抱卵数はなんと2000~145,000個にも及ぶそう!
体のサイズが大きいメスほど、より多くの卵を産むとされています。
日本ではどこに分布しているの?
現在日本では、全ての都道府県でオオクチバスが生息が確認されています。
ただし、日本で合法的に放流されている自然湖は、「神奈川県 芦ノ湖」「山梨県 河口湖」「山中湖」「西湖」の4つの湖のみ!!
オオクチバスの漁業権が認められているのもこの4つの湖だけになります。
世界最大のブラックバスは日本で釣れていた!!
実は、世界最大のブラックバスは日本で釣れているんです!!
過去に、世界最大のブラックバスについて書いた記事を掲載していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
【画像アリ!!】世界最大記録のブラックバスは、日本のアノ場所で釣れていた!!でもこれって生態系の乱れじゃない??
ブラックバスが日本に定着した経歴
もともと日本に生息していなかったブラックバスは、1925年(大正14年)に実業家の『赤星鉄馬』さんによってアメリカから持ち込まれました。
神奈川県の芦ノ湖に放流された87匹のオオクチバスが、日本にバスが定着した始まりとも言われています。
繁殖力が強く養殖も簡単なことから、当初は「釣って楽しく食べておいしい」という触れ込みで、レジャーとしての魚、食用としての魚、両面を期待され、政府認可のもとで繁殖が進められました。
環境省の特定外来生物に指定
環境省は、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼしたり及ぼす危険性のある外来生物(侵略的外来種)として、ブラックバスを「特定外来生物」に指定しました。
また、ブラックバスはIUCN(国際自然保護連合)によって、世界の外来侵入種ワースト100に選定されています。
ブラックバスが及ぼす生態系への影響
■生態系に関わる被害
- 環境省により選定された「日本の重要湿地500」に取り上げられた水域のなかで気候条件や塩分条件などにより定着の可能性が想定される259箇所のうち、少なくとも69箇所(27%)に侵入している。
- 京都府深泥池ではオオクチバス等の侵入後に在来魚の種数が減少したり、個体数が激減したりしている。また、在来種の減少により生物相に変化が生じている。
- 宮城県鹿島台のため池では、オオクチバスが侵入したあとに、絶滅危惧種のシナイモツゴが確認できなくなっている。また、秋田県の一部のため池ではオオクチバスが個体数や重量で優占し、いくつかの在来魚種の生息が確認できなくなっている。
- ラムサール条約登録湿地の宮城県伊豆沼・内沼では、オオクチバスの侵入・定着後に、希少なゼニタナゴやメダカ、ジュズカケハゼが急減し、いくつかの魚種では全長分布が大型個体に偏るなど、著しい魚類群集構造の変化が確認されている。捕食によるトンボ類への影響も懸念されている。また近年では、その強い捕食圧により生物群集が様々な間接的な影響を受けている可能性も指摘されている。
■農林水産業に関わる被害
- 捕食による漁業被害の可能性が示唆されている。
引用:日本の外来種対策
コメントを残す